「無責任ギャラクシー☆タイラー」作画その1
みなさまこんにちは。声優の井村万里子です。
本日は、「無責任ギャラクシー☆タイラー」の
作画の中のアナログ原画についてお話ししていきます。
原画とは
アニメーション制作の一工程。
絵コンテ(撮影前に準備するイラスト。映像の設計図)をもとに
キャラクターなどの動きのある絵を描いていくこと。
紙を用いて行うのがアナログ(紙)原画、
機械(アニメ制作ソフト、液晶ペンタブレッド)を
使って行うのがデジタル原画。→原画マン
ちなみに、絵コンテのあと、まず原画マンがレイアウト(画面を構成する設計図。
キャラクターの演技や背景、撮影指示など)を描きます。
レイアウト完成後、それをもとに原画マンがセル部分(キャラクター等)の原画を描き、
背景部分などを美術スタッフと呼ばれる方にお願いをします。
アナログ原画
〈メリット〉
□昔からずっとこの手法で行われてきたため、
短時間で作成可能。
□機械を使わないで、人間の手で行われるため、
大きな費用はかからない。(道具も揃えやすい)
□絵のタッチが繊細でやわらかい。
「無責任ギャラクシー☆タイラー」のアナログ原画はこちら
どどーん
アニメの中でよく見るおなじみのふたり。
もう一度言います。
この絵は全部手書きで書かれています。
タッチがほんとうに繊細だと思いませんか?
やわかい印象を受けます。
これはもう影がついた状態のものですね。
こちらを単体で見ると、すっごく素敵な原画なのですが・・・。
前にもお話しをしましたが、
アニメーションは一人で作っているわけではありません。
みなさまの目に触れる状態になるまで
たくさんの方の愛情と汗が流れています。
こちらを念頭において頂きまして・・続きをどうぞ
〈デメリット〉
■原画の回収に車や電車などを使って行かなければならない。
→時間や経費がかさむ。
■問題が起こったときの立て直しに時間がかかる。
(また一から描かなくてはいけなくなるため)
■完璧な複製ができない。
■劣化の恐れがあり、保管が難しい。
そして・・・
原画を作成して終了――
というわけにもいかず、次の方へバトンを渡さなればなりません。
こちらのレイアウトをご覧ください。
めっちゃ可愛い~
アザリン♡♡
この状態からでも愛くるしさを感じますね
さて本題の上の赤文字に注目です。
「要スキャン」
と書かれています。
これは、読んで字のごとく紙媒体のものをパソコンなどに取り込む作業です。
手書きの状態ですと、チェックがしづらかったり、
次の方が機械を使って作業する方だったりすると
この作業が必要になってきます。
昔から行われてきた手法だからこそ、
歴史や工夫を重ねてきたアナログ原画。
絵画の世界だとすごくわかりやすいかもしれません。
例えば、ゴッホのひまわりとか。
あの一筆一筆にその方の人生の想いや魂が籠っているような気がします。
「この世に一つしかないもの。」
これが、アナログの究極の答えかもしれません。
時代が目まぐるしく変わっていく中で、
この世に一つしかない、オリジナルのアニメーションを
創っていきたいと思うぶりおアニメーションでございます。
武士のように勇ましく、
犂き(好き)な人と
和を以て貴しとなし創る
お時間を割いて読んで下さいまして
本当にありがとうございました。
井村 万里子
声優。俳優。
元食品メーカー営業勤務。
芝居の魅力に惹かれ脱サラ。
ぶりおアニメーションブログ担当。
趣味:観劇・珍味料理を食べること。
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