「無責任ギャラクシー☆タイラー」の背景
みなさまこんにちは。声優の井村万里子です。
本日は、「無責任ギャラクシー☆タイラー」の背景についてお話ししていきます。
背景とは
背景美術とも呼ばれており、これは、アニメーションを構成するもののひとつ。
以前、キャラクターなどの動きのあるものを作画とお話ししましたが、
このキャラクターの生活舞台を表現するものが背景美術です。
「無責任ギャラクシー☆タイラー」でいえば、
宇宙空間や酒場のシーン、宇宙船の中などですね。
背景会社の現状
背景会社は大きく分けて2つ。
一つは大元のアニメーション制作会社の一部門。
これは、みなさんもよく知る、アニメ「けいおん!」などの
アニメを手懸けた京都アニメーションさま。
ほとんどの工程を自社でできるような体制をとられており、外注はほとんどないそう。
もう一つは、背景を専門にした会社。
一般的には、こちらが主流で大半のアニメーション制作会社の方は、
背景専門の会社に背景美術を依頼しています。
作画その2でもご紹介しましたデジタル原画。
この背景美術でもこの余波がでてくるのです。
思い出してみましょう!
〈デジタル原画のメリット・デメリット〉
□何か修正が入ったときの手直しが短時間で行える。
□同じものの複製(コピー)が簡単。
□原画の回収にわざわざ足を運ばなくてもメールなどで送ることができる。
→時間の短縮、経費削減
□全国、海外とのやり取りも可能になる。
□紙上ではできなかった拡大・縮小・回転・貼り付けなどが簡単にできる。
□保管・管理が楽
□劣化の恐れがない
デメリットは、最初の設備投資や、機械に慣れるまでに時間がかかることなどですね。
改めて考えていくと、背景は作画とほぼ同時進行で行われます。
ということは、レイアウトの段階で早く仕上がりができて
その情報がいち早く降りてきた方が、背景美術さんにとってもお仕事がしやすいのです。
「無責任ギャラクシー☆タイラー」の背景
今回、「無責任ギャラクシー☆タイラー」の背景をお願いしたのは、
3DCGアニメーション制作だけでなく2Dアニメのキャラクターデザインなど
幅広く行っている、天狗工房さん。
みなさまもよくご存知のアニメ「東京喰種トーキョーグールシリーズ」や
「寄生獣セイの格率」、そして最近では、映画「心が叫びたがってるんだ。」などの
CG制作も天狗工房さんが担当されていました!!
また、アニメ「カイトアンサ」や「ナゾトキネ」漫画「泉極志」など、
自社原作作品も手掛けており、
CG制作だけでなく、キャラクターデザインや脚本なども行っていらっしゃる。
なんて、創作意欲の高い企業様なのだろう・・
これからも是非お付き合いしていきたい!
さらに、天狗工房さんは、デジタル技術を取り入れていらっしゃるので、
情報や意見のやり取りがとってもスムーズ!
ただ、アニメーション全体を見ていくと、このやり取りは一部分のお話し。
これだと、まだまだこのあとの撮影や仕上げの方への負担は大きい。
(時間がぎりぎりになってしまう→徹夜作業になることも)
今後、ひとつのアニメーションを通して、デジタル化が進み、
もっとやり取りや作業の時間が短縮できれば、一人一人の負担が減り、
業界全体が盛り上がるのではないかと思うぶりおアニメーションでございます。
武士のように勇ましく、
犂き(好き)な人と
和を以て貴しとなし創る
お時間を割いて読んで下さいまして
本当にありがとうございました。
井村 万里子
声優。俳優。
元食品メーカー営業勤務。
芝居の魅力に惹かれ脱サラ。
ぶりおアニメーションブログ担当。
趣味:観劇・珍味料理を食べること。
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