プレスコ収録のやり方
こんにちわ。声優の井村万里子です。
本日から武犂和(ぶりお)アニメーションの魅力を
こちらのブログでご紹介していきます。
♦プレスコ収録とは♦
プレスコ。さぁ何のことでしょう!
新しいタバスコの種類ではありませんよ。
名前は似てるけど。
これは、音声の収録方法です。
一般的に耳にするのは、アテレコ、もしくはアフレコでしょう。
上記の方法とは違うスタイルをとる、プレスコちゃん。
さてその実態は・・・・・
まずはこちらをご覧頂きましょう。
(プレスコ収録風景)
いかがでしょう。
みなさまのイメージと合っていましたか。
それとも違っていましたか。
いつもなら映像が映っているであろう画面には布が‼
そうです。写真を見てお分かり頂けるように、
プレスコ収録では、映像を使いません。
台本をもとに演技していくのがプレスコ収録の特徴です。
ドラマCDなどもこの方法で録っていくことが多いです。
そして音声を録ったあとに編集を行っていきます。
♦なぜこの手法なのか♦
それは、アニメーションの精度を高めていくため。
ここからお芝居の話になりますが、映像に声を当てていくとなると、
当てることが重要になり本来の芝居というものが消えてしまい、
その人個人の良さも消えがちです。
ベテランの方ですと、当てながら且つしっかりと生きたお芝居をされますが、
新人さんは当てることに必死になり目的を見失いがちです。
私も、映像を見ることに必死になり、
一番大切にしないといけない役を生きることができませんでした。
これも慣れかもしれませんが、
やはり絵を見て行っていくと映像の中の微妙な間に左右されることもしばしば。
♦じゃあ、アニメもプレスコでやっていけばいいじゃん!!♦
いえいえ。急に方向転換できるものでもありません。
アニメといえば、絵に合わせて声を当てていくという固定概念が大半を占める中、
または、長年アテレコ(アフレコ)手法で行ってきた中、そんな軽々しく乗り換えることは難しいでしょう。
おそらく、絵がないとやりづらい、昔からこれでやってきたからなどの理由でなかなか最初の一歩を踏み出す人は少ないでしょう。
しかし踏み出した先には、今まで培ってきた経験や技術・感性がこれまでよりも必要になり、
一人の俳優としての力が試されるのではないでしょうか。
そう考えると、私はわくわくしてきます。
さ・ら・に♡
これが拘束時間の短縮にも繋がっていくのです。
♦拘束時間の短縮とは♦
通常、30分アニメを1本を録っていくのに
およそ3~5時間ほどかかるとしましょう。
これをプレスコ収録で行うと、およそ2.5時間になり、
通常よりも半分の時間で済みます。
いつもと同じ収録時間で収録方法をプレスコスタイルに。
すると、1日で2話分の収録が可能に♪
絵が出来上がったところで、演技修正・アドリブ追加などの楽しみが増える!
ということは・・・・
アニメ制作の進行がスムーズになる!!
と、こういうことです。
よく急に総集編が流れたり、
急に最終回を迎えたりするアニメをご覧になった経験はありませんか。
これは、諸々事情があるかもしれませんが、
理由の一つにこの制作が追いついていないアニメもあったはずです。
♦魅力的なプレスコちゃん。是非お付き合いしたい!♦
そう思わずにはいられない。が、思うようにいかないのが現実・・・。
短縮できた時間で次の回も収録となると、そこには、
さらにもう1話分の料金(テープ代、声優さんへのギャランティ代など)が発生してしまいます。。
しかしながら、時間ができることも現実。この空いた時間をどう利用していくか。
はたまた、収録にかかる費用の概念をどう柔らかくし崩していくか。
考えれば考えるほど、可能性の広がるプレスコ収録。
こういった現状を打破し、よりよいアニメーション創りを行うために、
今回ご紹介致しました「プレスコ収録」は大きな鍵になっていくと思います。
武士のように勇ましく、
犂き(好き)な人と
和を以て貴しとなし創る
お時間を割いて読んで下さいまして
本当にありがとうございました。
また次回も是非ご覧くださいませ。
井村 万里子
声優。俳優。
元食品メーカー営業勤務。
芝居の魅力に惹かれ脱サラ。
ぶりおアニメーションブログ担当。
趣味:観劇・珍味料理を食べること。
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