「無責任ギャラクシー☆タイラー」のVコンテ
みなさまこんにちは。声優の井村万里子です。
本日は「無責任ギャラクシー☆タイラー」のVコンテについてお話ししていきます。
Vコンテとは
仮の完成映像のこと。V(ビデオ)コンテとも呼ばれます。
作成方法もいろいろとあり、
- 絵コンテ撮
- LOラフ原撮
- 原撮影
- タイミング撮
- 本撮
- 動撮
と使用する素材によって変わりますが、今回は絵コンテを使用した絵コンテ撮で
お話ししていきます。
素材となる絵コンテをつなぎ、テレビの尺に合わせて、
不要な部分をカットしたり貼り付けたりする作業を行います。
よく声優さんが言っている「Vチェック」のVとはまさしくこのこと。
ただ、声優さんのもとにいくまでにもいろいろな作業があります。
通常のVコンテの作成
脚本→絵コンテ→レイアウト→作画・背景→Vコンテという大まかな流れがあります。
ちなみにVコンテの作業を細分化すると・・・
- 絵コンテをつなげる
- 尺(タイム)を図る
- 不要なところカットしていく。
- キャラクターの話す部分にボールドをつける。
- 仮のセリフを録音する。
- カットナンバーをつける。
などなど。
普段、こちらを作成していくのにいろんな方の力をお借りしています。
そして、Vコンテとして仕上がってきたものを監督がチェックをします。
何も問題なければこの映像と台本が声優さんのもとへ送られます。
声優さんはこの映像と台本をチェックして収録に臨むのです。
「無責任ギャラクシー☆タイラー」のVコンテ
さぁ、みなさま気になる「無責任ギャラクシー☆タイラー」のVコンテは
どのように作成されたのか・・・!
まずは、こちらをご覧ください。
いかがでしょうか。
ちょっと懐かしい第一話の様子ですね。
右下の「タイラー」という文字。
これがボールドと呼ばれるもので、タイラーが話している間この文字は表示されます。
キャラクターが映っていてもセリフがないときはこの文字はありません。
そして、左上の数字がカットナンバー、下に出ている数字がタイムです。
動画を再生していくと・・・
あらあら!どこかで聞き覚えのあるお声が・・・!
そうです。こちらのVコンテすべて木村監督ご自身が作成をしております。
監督がVコンテを作るメリットとは
木村監督は仰いました。
「かゆいところに手が届く感覚」だと。
さて、監督の話すかゆいところとは。
それは、主に会話のテンポなどの細かい調整ができるところ。
通常の手順で人にお願いをするとそれがなかなか難しいそう。。。
できあがったVコンテの一部がこちら。
※音が出ますのでご注意ください。
ご覧頂けると分かるように、木村監督お一人で
全てのキャラクターのセリフを話されています。
そして、会話のテンポやそれに合った絵の切り替え方や速さなどの
細かい調整がなされているのが伝わってきます。
この映像が声優さんの収録のときに流れる映像でもあります。
もちろん、その時は映像のみです。
これからもよりよいアニメーションを目指して小さなことから
こつこつ追究していきたいぶりおアニメーションでございます。
武士のように勇ましく、
犂き(好き)な人と
和を以て貴しとなし創る
お時間を割いて読んで下さいまして
本当にありがとうございました。
井村 万里子
声優。俳優。
元食品メーカー営業勤務。
芝居の魅力に惹かれ脱サラ。
ぶりおアニメーションブログ担当。
趣味:観劇・珍味料理を食べること。
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