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「無責任ギャラクシー☆タイラー」色彩

みなさまこんにちは。

声優の井村万里子です。

本日は、「無責任ギャラクシー☆タイラー」の色彩についてお話ししていきます。

 


色彩とは 


 

色彩設定(色彩設計)のこと。

アニメーション制作工程の中の重要な役割の一つ。

色に関しての決定権をもつ。

 

色彩の仕事は、

  • 色彩設定(色彩設計)
  • 色指定
  • 仕上げ
  • 検査

この大きく4つの仕事に分かれる。

 


色彩設定(色彩設計) 


 

原作ある作品は原作者の方、そして監督・演出家、

オリジナル作品の場合だとスポンサーのメーカー様の意向に沿った色を指定していく。

 

色を指定すると聞いてもピンとこないかもしれませんね。

 

アニメをよくよく見てみると・・・

色が変化しているのが分かりませんか。

 

例えば、朝と夜や晴れの日と雨の日などさまざまな環境の変化によって

キャラクターの色(髪・目・服など)が違っているのがわかります。

 

これらの色を決めているのが色彩設計さんなのです!

 


色指定 


 

色彩設計の方からあらかた決まった色のデータを頂き、

そこから各話の細かい色を指定していく。

 

その話しか登場しない人物や持ち物などですね。

 


仕上げ 


 

着色作業のこと。

上がってきた動画素材をパソコンに取り込み、

色彩設計さんや色指定の方が決めた色(ルール)に従って色を塗っていく。

 

最近では、海外に仕上げをお願いする会社や

実際に海外に子会社を持つ企業も少なくありません。

 

みなさんもご存知のスタジオディーン様や

東映アニメーション様も子会社を持つ企業の一つ。

 

海外にお願いした方が仕上がりのスピードが速く、

作業効率もアップするそうです。

 

ただ、メリットもあればデメリットもありまして。

 

作業が早い分、ムラも目立ちます。

そういった部分をチェックするのが、次の検査のお仕事です。

 


検査(仕上げ検査) 


 

色が塗られたデータのチェック作業。

色パカ(動画でチェックした際に、間違った色の部分が点滅してみえる現象)

がないかを検査する。

もし、あればリテイクを出していく。

 

海外に仕上げをお願いすることが多くなった今、

この検査の作業がいかに大切であるかを感じます。

 

しかし、現実は、この検査さんに仕上げの検査だけでなく修正や

可能な範囲の作画修正をお願いしているのが現状です。

 

いかに、人手が不足しているのかがわかりますね。。。

 


「無責任ギャラクシー☆タイラー」では 


 

今回、キャラクターデザインである、北奈つきさんが始めに色を塗り

それをもとに色彩設計の小松さくらさんが実際に色を指定していました。

 

先にも述べたように、仕上げ段階でかなり多くの人の手が必要になります。

上がってきたときに色パカを防ぐために、細かなルールを設けています。

 

今回のタイラーでは、一見見落としがちな色(ex:靴のつまさきのちょっとした色や

かかと部分など)の指定色のBOXのまわりを原色で囲って分かりやすくしました。

(色のBOXとは・・・キャラクターの指定色を4段階にまとめたもの。

このBOXの中からシーンに合わせて指定された色を使っていく)

アザリンを例にとってみましょう!

これはほんのひと例です。

ほかにも、室内でのものや太陽の光の中でのものなどあげだしたらきりがありません。

 

また、作品によってはこの種類が何倍も増えてきます。

 

背景と並んで作品の世界を創る大切な色彩。

一つの色でその世界が良くも悪くも変わるとても繊細なお仕事です。

 

作業に溺れず、いつだってこだわりをもって臨みたい、

そう思ったぶりおアニメーションでございます。

 

 

士のように勇ましく、

き(好き)な人と

を以て貴しとなし創る

 

お時間を割いて読んで下さいまして

本当にありがとうございました。

 

 

井村 万里子

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