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「無責任ギャラクシー☆タイラー」シナリオ その2

みなさまこんにちは。

声優の井村万里子です。

本日は、「無責任ギャラクシー☆タイラー」のシナリオその2ということで、

その1ではご紹介しきれなかったことなどをお話ししていきます。

 


シナリオとは~おさらい~ 


 

場面の構成やキャラクターの動きやセリフなどが書かれたもの。

プロット(あらすじ)をもとに書いていく。

各業界によって構成が変わってくる。

 


シナリオの構成


 

シナリオは主に、

  • セリフ
  • ト書き

の3つから構成されています。

 

柱(柱書き)


 

シーンの最初に書かれるもの。

そのシーンの時間や場所を指定。

ex)太郎の家 玄関外(←家の外なのか中なのかも具体的に)

 

また、このシナリオを見るのは同じ制作側の人間なので、

具体的とはいえど、できるだけ短くパッと見て分かるものがよいです。

 

 

セリフ


 

キャラクターの話す言葉を「」(カギカッコ)を使って表現したもの。

「」の上の名前は、そのセリフを話しているキャラクター。

よく、男性は苗字、女性は名前で表記されています。

 

言葉に発していなくて心の中で話しているものは、

(M:モノローグ)、ナレーションの場合はN、

映像に写っていないときのキャラクターには(OFF)という表記がされています。

 

気づいている方もいらっしゃるかもしれませんが、

セリフの最後に読点(。)を省略していることも

実はセリフを読みやすくするルールだったりします。

 

「○○○○、○○。○○○○○」

こんな感じです。

 

また、セリフがやたら長く、一から十まで説明するのもよくありません。

適度が一番よく、中には敢えて一言にまとめて

そのセリフの魅力をグンとあげていることもあります。

要は、本音を語らせないというやつですね(笑)

 

できあがったセリフは一度声に出して読んでみるとまた違ってきます。

頭の中で思い描いたものがそのまま出ることもあれば、そうでないこともあるはずです。

 

 

ト書き


 

もともと歌舞伎用語であるト書き。

「ト振り向く」や「ト言った」のように書かれていたそうです。

 

セリフの前後にあるキャラクターの動作などを書いた文章のことで、

動作も抽象的なものでなく、目に見える具体的な動作を書くことが求められます。

このとき、常に現在の状況を書くことが大切です。

 

実際に書いてみると分かりますが、

 

(現在形)

太郎は次郎の家に行く。

ワクワクして胸が躍る

(過去形)

太郎は次郎の家に行った。

ワクワクして胸が躍った

 

明らかに、現在形の方が頭の中に映像が出やすいと思いませんか。

また、臨場感も全然違いますね!

 

そしてここで、アニメーションや映像などカメラで撮ることならではの選択があります。

 

ト書きもすべてを書く必要はなく、見て分かるものは省きます。

この選択が非常に大切になってきます。

ト書き一つでその世界のリズムが良くもなり悪くもなるからです。

 

 

このように、シナリオといってもさまざまな箇所に細かな工夫があって、

すべてはより良い作品を創っていくためのものです。

 

小さな積み重ねを大事にしていきたいと思う

ぶりおアニメーションでございます。

 

 

士のように勇ましく、

き(好き)な人と

を以て貴しとなし創る

 

お時間を割いて読んで下さいまして

本当にありがとうございました。

 

 

井村 万里子

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