アニメ声優オーディションについて
みなさまこんにちは。声優の井村万里子です。
本日は、「アニメ声優オーディションについて」をお話ししていきます。
謎に包まれているアニメの声優オーディション
みなさんは、アニメの声優オーディションがどのような形で行われているかご存知ですか?
事務所に所属経験のある方はご存知だと思いますが、フリーで声優を目指す方やこれから声優を目指そうという方、事務所に所属していてもなかなかアニメの声優オーディションには呼ばれたことのない方などさまざまいらっしゃるかと思います。
まず、通常、アニメの声優オーディションの一般公募は、ほぼなく、ほとんどが事務所にオーディション情報が流れる仕組みになっております。
そして、その事務所の中でも選び抜かれた方が事務所代表として選出されるわけですが・・・
一つの役を取るのはもちろん、オーディションに参加できるかどうかも大変なことがわかりますね
そして、各事務所から集まった精鋭たちと闘っていくこともまた難しいところです。
オーディションに関しては、新人もベテランも同じ扱いなので、自分がいかに新人だろうとそんなこと関係なくオーディションは進むのです。
ということで、本日は、そんなアニメ声優のオーディションがどんな流れで行われていくのかをぶりおアニメーションでは特別にお教えいたします(^▽^)/
オーディション前から当日の流れについて
まず、事前にオーディション原稿とキャラ設定資料・オリジナル作品の場合は企画書が各事務所に配られます。
(※キャラ設定資料は、キャラクターの絵と文字で説明されたもの、もしくは文字のみで性格などを細かく説明されているものなどがよくあります。どんな資料がくるかは届いてからのお楽しみです☆)
長くてオーディションの1カ月前で、通常1~2週間前に情報がきます。
また、当日いきなりオーディションを行うということもかなり稀にあるそうです。
〇一つの作品に対して4~5キャラのオーディションを行います。
なので、原稿にはオーディションするキャラクターのシーンごとのセリフが書かれています。
(例えば、戦闘シーンと日常シーンなど)
〇自分の受けるキャラクターを決めておきます。
オーディション当日は、1時間のオーディション枠内を
5、6人ずつに分かれて進められるので自分の開始時間の30分前には会場に着いておくようにする。
オーディションの流れとしては、自分の希望するキャラクターのセリフを話す。(だいたい一人2キャラ程度)
一度テストを行い、それに対してディレクションあれば応えてもう一度。そして、本番❢
◎ここで変化を見せることができればポイントが高い!
また、人によってはオーディションキャラよりも別のキャラ(オーディションしていないキャラクター)の方が合っていると思われると、その場で別原稿ないし原作漫画を渡され、そのキャラのセリフを読むこともあるそうです。
※ディレクションがなくてもテンション落とさず、不安にならないようにすることが大事です。
最後は時間があれば自己PRや歌唱などを披露する方もいらっしゃるそうです
ただし、これに関しては現場の空気を読むことが大事で、時間がなくて急いでいるときに「自己PRよろしいですか」なんて聞くものならそれだけでオーディション落ちかねないです(´;ω;`)
逆に、時間に余裕があってできそうなら、その時は逆にポイントが高いです!
その判断力もオーディションの中では大事になってくるかもしれません。
◎自己PRもいろんな引き出しがあると良いです。
最低3つはあるとGOOD❢
◎オーディション途中で休憩を挟みます。
その際、紹介者や知り合いが居る場合は話しに行ってダメ出しをもらうと今後に生かせるかも❢
意外と見落としがち?❢
オーディションはココから見てます。
あいさつ。
そう、スタッフ陣は一発目の挨拶を見ています。
「○○所属の○○です。よろしくお願いします。」
◎このときブースにいらっしゃるスタッフさんに向かって行うとポイント高い!
自分の名前をしっかり言えるかどうか。
中には、芸名の方もいらっしゃり、名前を言い慣れておらず噛む方もいるそうです。
また、このときの声は地声でいくのか、キャラクターでいくのかもその人のセンスにかかってきますね。
作品やその人自身の持っているものによっても変わってくるものなので、ここはしっかり自己分析を行い、ケースバイケースで自分の武器の魅せ方を変えていけるといいですね(*´ω`*)
オーディション事前アンケートについて
最近の声優に求められるものとして、演技力の他に歌唱力やダンス、ある程度の顔の綺麗さなどまるでテレビタレントに求められるようなものばかり。
なぜなら、昨今のアニメオーディションでは、オーディションを受ける際に事前アンケートが配られます。
その中身は、合格した場合のアニメーションのプロモーション活動として、人前に出ることやCDを出すことなどが項目として書かれているからです。
もちろん、ここでイエスと答えた方の方がポイント高いのは明らかです・・・!
テープオーディションが増えている理由
ここまでお話ししてきたのは、スタジオオーディションと呼ばれるもので、このオーディションに行くにはテープオーディションを勝ち進むことが必要です。
しかし最近は、テープオーディションのみでキャスト決定することが多くなっております。
というのも、スタッフさんが忙しく、みんなが集まれないからだそうです。
また、テープオーディションだと純粋に芝居で選ぶことができて良いとも仰っておりました。
実際にスタジオオーディションで行うと、名前知っている方や実際に仕事を一緒にしたことがある方などがいらっしゃり、どうしても公平には見られないところがあるそうです。
ということは、私たち新人にとってはテープオーディションの方が有利なのかもしれません☆
オーディションで見ているのは芝居だけではない
先ほど、オーディションではあいさつを見られているとお話ししましたが、そのほかに、人間性が優れた人、聞きすぎるのはNGだが、分からないことは素直に聞ける方など芝居以外の部分も見ています。
また、返事がない人や軽い返事をする方などはNGです。
えっ!?そんな人居るの???と驚いた方も中にはいらっしゃるかもしれませんが
現実には稀に居ます。
また、昨今流行りのクラウドファンディングで作るアニメや地方復興アニメなど現場に長く関わってくる役者をオーディションで選ぶ際はどんな人なのかを一番見ているそうです。
ちなみに、木村社長が監督された「はいたい七葉」の時はオーディションで1000人の方とお会いしたそうです・・・!!
芝居を磨くことはもちろんですが、一人の人間としての自分を磨いてオーディションに臨んでいきたいですね(*´ω`*)
武士のように勇ましく、
犂き(好き)な人と
和を以て貴しとなし創る
お時間を割いて読んで下さいまして
本当にありがとうございました。
井村 万里子
声優。俳優。
元食品メーカー営業勤務。
芝居の魅力に惹かれ脱サラ。
ぶりおアニメーションブログ担当。
趣味:観劇・珍味料理を食べること。
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